母乳の量を増やすにはどうすればいい

赤ちゃんを母乳で育てるために、どうすれば母乳が増えるかを知りたいのですね。

 「母乳は出る人と出ない人がいる」と言われたりするので、気になっているかもしれませんね。実際には、ほとんどの人が、十分な量の母乳が出るようにできています。

 母乳をつくるホルモンとして、大切なホルモンの一つにプロラクチンがあります。プロラクチンの濃度は出産直後が最高で、その後はゆっくりと低下しますが、乳頭が刺激されるたびに再びプロラクチンの値が上昇します。出産後1週間すると授乳中の母親のプロラクチン濃度は、出産のすぐ後の半分にまで減ります。まったく授乳しなければ、出産7日後には妊娠していないときの濃度まで下がってしまいます。

ですから、直接赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらえない場合(赤ちゃんが小さく生まれた場合など)には、母乳をしぼる必要があります。「おっぱいは、なるべく早くから吸わせれば吸わせるほどよく出るようになる」といわれますが、これには科学的な裏づけがあるのです。  

また「おっぱいを飲ませる回数が減ると出が悪くなる」「母乳を蓄えておくと出なくなる」ともいわれますが、その理由も科学的に解明されてきています。これから、その仕組みについて説明します。乳房のサイズは、つくられる母乳の量とは関係がなく、左右の乳房でつくられる母乳の量も異なるのが普通です

赤ちゃんに頻繁に授乳しましょう

 出産後、早い時期から頻繁に授乳したほうが母乳の量はより早く増えます。その理由は、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、母乳をつくるように信号を送る司令塔(乳腺のプロラクチン受容体)がどんどんつくられるからと考えられています。

 母乳がつくられる第二期から第三期に移行すると、左右それぞれの乳房でつくられる母乳の量は、前回の授乳でどれくらい乳房から飲みとられたかによって決まってきます。ですから、母乳の量を増やしたい場合には、なるべく“空”に近く感じるまで赤ちゃんに飲んでもらうか、授乳後に母乳をしぼるとよいでしょう。

母乳の量を保つためのポイント

 乳房内にある程度以上の母乳を蓄え続けると、母乳中の「乳汁産生抑制因子」FILという母乳の出を調整して減らすように促すたんぱく質の濃度が高くなります。できるだけ回数を多く、しっかり授乳すること、または赤ちゃんがしっかり飲めないようなら母乳をしぼっておくことが母乳の分泌を維持するためにも必要です。

もっと知りたい人のために

プロラクチンについて:プロラクチン受容体はプロラクチンホルモンが作用する受け皿で、乳腺細胞の表面にできます。ここに、プロラクチンホルモンがくっついて、母乳をつくり出すようにという信号を出します。また、プロラクチン受容体の数は産後数日間のうちに増加し、その後は変わらないことがわかっています。  すでに妊娠・出産の経験がある女性は、母乳をつくるホルモン(プロラクチン)の量が少なくても、母乳をよりたくさんつくり始めるといわれています。その理由は、一度赤ちゃんを産んだ女性のほうが乳腺にあるプロラクチン受容体の数が多いからです。すでに出産を経験して、母乳をつくる準備ができているため、早くから母乳ができるのです。母乳をつくる機能にはプロラクチンの量も大切ですが、乳腺にあるプロラクチン受容体の数もとても重要です。このため、血液中のプロラクチンの濃度が低くても乳腺にあるプロラクチン受容体の数が多ければ、赤ちゃんに必要な量の母乳をつくれるのです。これは、2人目や3人目の赤ちゃんのほうが少し早めに体重の増加が始まることの説明にもなります

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